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感染管理関連情報

歯科診療室の空気汚染の現状 ~歯科医療従事者の安全確保のために~

 歯科診療室において、診療日には休診日に比べ空気中の浮遊粒子数が増加し、歯の切削治療中の空気汚染が高度である※)という研究結果が、日本医療機器学会会報『医療機器学 Vol.84』上で発表されました。本稿では、当該の論文を要約してご紹介するとともに、空気汚染から歯科医療従事者の安全を確保するための対策についてお伝えいたします。


診療時に明らかに増加する空気粒子数

 研究では、①診療日と休診日それぞれの空気粒子数を5種類の粒径別に分け、各粒径毎に粒子数の経時変化及び経日変化を1ヶ月間測定したほか、②歯の切削時の粒子数を、3種類の吸引条件別(排唾管のみ・排唾管+口腔内バキューム・排唾管+口腔内バキューム+口腔外バキューム)に測定しています。

 その結果、①診療日には休診日に比べて明らかに空気粒子数が上昇すること、②切削治療中には3種類の吸引条件によって空気粒子数の増減が変化すること、以上が明らかとなっていました※)



 ①の表から、9時から17時までの平均粒子数を診療日と休診日とでそれぞれ検討した場合、1.0μm以上の粒子は1.7倍、2.0μm粒子では3.6倍、5.0μm粒子では15.5倍と、休診日に比べて診療日の粒子数が多いことがわかります。※)

 又、②の図では、どのような条件下で切削治療を行うかによって、空気粒子数の変化に差が生じることが示されています。特に、排唾管のみ使用の場合は粒子数の減少は認められませんでしたが、排唾管と口腔内バキューム併用の場合には減少し、排唾管と口腔内バキュームに加えて口腔外バキュームも併用した場合にはさらに著しく減少することがわかります。

 この結果から、口腔外バキュームは切削治療中の発生粒子の増加に対して一定の効果があると言えますが、しかしながら0.3μm粒子や0.5μm粒子などの微小な粒子への吸引効果は低く、論文中でも「局所的な装置では限界があることを示唆しており」とされています。※)


空気汚染から身を守るには

 このように、歯科医院には常に空気汚染の危険性が存在しています。特に、結核ウイルスなどの空気感染するウイルス類が粒子として空気中に含まれている可能性は常に想定しておくべきであると言えます。理想的な対応措置としては、診察室全体をカバーする大型の空気清浄機の導入などが挙げられますが、すぐに実現出来ることではなく、手間や設置スペースの問題も考慮しなければなりません。

 そのため、すぐに実行出来る対応策としては、口腔外バキューム等で粒子を低減しつつ、マスクやアイシールド類・ガウンなどのPPE(防護具)を着用して防護を万全にすることが挙げられます。特に診察室にいる時間が長い先生やスタッフの方々は、それだけ汚染された空気に長時間晒されることになりますので、粒子に対する安全性を高めるためには、PPEの適切な使用が欠かせません。

 海外の医療現場では、患者さんを守ると同時に「医療従事者を守る」という点を重視した感染予防策が主流となっています。歯科診療室における空気汚染に対しても、PPEなどを活用した対策を行うことで、先生やスタッフの皆さんの安全を確保することにつながります。



※)出典:
玉澤かほる・玉澤佳純・島内英俊、(2014)、「歯科診療室の空気汚染状況の検討」、『医療機器学』Vol.84、No.5、537-542


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