知って防ぐ食中毒
気温が上がるにつれて、多く見られるようになるのが「食中毒」。食中毒の危険は外食だけではなく、実は家庭での食事にも潜んでいます。
ひと口に食中毒といっても、原因になる菌や有効な対策はさまざまですので、いろんな食中毒のことや、気をつけたいポイントを知って、上手に食中毒を防ぎましょう!
こんなところに潜む食中毒
食中毒のキケンは、どんなところに潜んでいるのでしょうか? 最も身近なのが、家庭のキッチンです。調理する時、手や調理器具に菌が付着していると、その菌が食材に移ってしまい食中毒の原因となります。一見キレイに見えるキッチンも、実は目に見えない菌類やウイルスでいっぱいということも…。調理の時は、こんなところに注意しましょう。
家庭でのいろいろな食中毒対策
お弁当を食中毒から守るために
<お弁当を食中毒から守るためのポイント>
参考資料:主な食中毒の原因菌と有効な対策
腸管出血性大腸菌(O-157など)
【特徴】
・感染力が非常に強いが、熱に弱い
【対策】
・75℃、1分間以上の加熱を行う
・生の肉と他の食品との接触を防ぐ
・使用した調理器具は、使用後に洗浄と消毒を行う
ノロウイルス
【特徴】
・冬季に特に流行するが、一年を通じて発生する
・アルコール消毒は有効ではない
【対策】
・85℃~90℃、90秒以上の加熱を行う
・使用した調理器具は、使用後に洗浄と消毒を行う
黄色ブドウ球菌
【特徴】
・埃の中など、身近に存在している菌
・食品中で増殖する時、熱に強い毒素を産生する
【対策】
・食品は10℃以下で保存する
・調理の前に石鹸でよく手を洗い、手に傷がある時は使い捨ての手袋などを使用する
カンピロバクター菌
【特徴】
・家畜やペットなど、あらゆる動物が保菌している
【対策】
・75℃、1分間以上の加熱を行う
・生の肉と他の食品との接触を防ぐ
・使用した調理器具は、使用後に洗浄と消毒を行う
サルモネラ菌
【特徴】
・生肉、特に鶏肉や卵を汚染することが多い
【対策】
・75℃、1分間以上の加熱を行う
・卵の生食は新鮮なもののみに限る
・使用した調理器具は、使用後に洗浄と消毒を行う
腸炎ビブリオ
【特徴】
・海に生息し、魚介類が原因食品となることが多い
【対策】
・魚介類は新鮮なものでも真水でよく洗い、60℃、10分間以上の加熱を行う
・刺身類は食べる直前まで5℃以下で保存する
・調理器具は魚介類専用のものを使い、使用後に洗浄と消毒を行う
ウェルシュ菌
【特徴】
・カレーやシチューなどの大量調理食品内で増殖する
・熱に非常に強い
【対策】
・加熱調理した食品でも室温に放置せず、できるだけすぐに食べる
・保存する場合は、清潔な容器に小分けにし、急速に冷やすようにする
セレウス菌
【特徴】
・チャーハンなどの焼飯類が原因食品となることが多い
・熱に非常に強い
【対策】
・加熱調理した食品でも室温に放置せず、できるだけすぐに食べる
・保存する場合は、清潔な容器に小分けにし、急速に冷やすようにする